製造工程のご紹介

オーダースーツは、
一ヶ所、一ヶ所の部分がうまく連動して美しく・着やすい洋服が生まれてきます。
単に寸法を計るだけではなく、お客様の体型を正確に把握することが最も大事です。
若い方は胸まわりが発達しています。ウエストはくびれていて、ヒップ廻りはスポーツをしていますので、
そこそこ寸法はあります。そして、ふくらはぎは発達しています。
この様な体型の人にピッタリのスーツを作るには、採寸・パターン作り・縫製と3つがうまくかみ合わないと
なかなか上手くいきません。
通常イージーオーダーのお店では、採寸すれば、ご注文の生地に採寸表を添付して、縫製工場へと発注します。
しかし、当店では、熟練の職人自ら採寸し、お客様の体型等を詳しく把握し(これを当店では、診断と思っています)
職人自ら、型紙を作成します。
そして、当店の専属の職人さんに丸縫い(*丸縫いの参考資料あり)してもらっています。この時、店長自ら、
お客様のシルエットのご要望、そして体型を職人さんに伝え、この部分は何㎜いせ込む、この部分は、クセ取りを
充分にと、種々の指示をします。
この職人さんとのコミュニケーションが大事なのです。
お客様の思いを作り手に正確に伝えてこそ、その思いが形になるのです。
この作り方は、当店で扱うすべてのスーツにわたって、当店のポリシーとなっています。
そのことは、特に細身のスーツでは、顕著にあらわれます。
単なるイージーオーダーではない。オーダーに近い服作りをめざしています。
では、当店のオーダースーツがどのようにできるのか、ご紹介してまいります。

フルオーダースーツ製造工程

1.採寸

採寸方法についてはメジャーを使った『メジャー採寸』とゲージサンプルを使った『ゲージ採寸』を行います。
具体的には、当店ではお客様のヌード寸法(シャツを着用した状態)を測らせて頂き、次にサイズに合った ゲージ
サンプルを着用して頂き、出来上がりのイメージを掴んで頂き、サイズを決めます。
その際、熟練の職人がゲージサンプルで余分な部分があれば、ピン打ちを行い、お客様の体にピッタリと合ったゲージ
へと修正しますので,オーダースーツが初めての方も、サイズ感、出来上がりのイメージが 分かり易いと思います。

2.型紙作成

採寸した情報をヒアリングした希望に合わせてお客様の型を起こしていきます。お客様の特徴を考えながら、
いかに着た時の形が美しいかを考慮し、骨のつき方、筋肉の動きを把握して体型補正します。(なで肩、いかり肩、
屈伸体、反身体)。
デザイン、寸法の変更、ディテールにこだわって丁寧に作成します。

3.縮械

服作りはまず「地のし」から始まると言われています。
生地本来の姿に整形するため、表生地に熱蒸気を吹かして縮械します。そして、一日程陰干しします。

4.裁断

お客様の型紙を表生地にセットし、素材の伸縮性を考慮に入れて、チャコで線を引いていきます。
長年の経験から生地の特性を考慮しながら、布の切り方一つでスーツの出来映えをコントロールする
微妙なカッティングしていきます。

5.くせ取り

このくせ取りで着心地が決まります。
平面の表生地を丸みのある身体にフィットするようにくせを取ります。

6.縫製

仕立て職人が縫製した丸縫いスーツ(*丸縫いの参考資料あり)。
人の体を丸く包み込む様な仕立て、襟付けからラペルの奇麗なカーブはオーダー職人による手間のかかるアイロンワーク
から生まれてきます。
機械化の進む現在において、手作業中心のスーツ作り。スーツの立体感を生む毛芯仕立てにこだわっています。
長年の経験を元にして技術力と感性を融合した体に馴染むスーツが出来上がります。

6-1.ネーム

お客様の名前をお入れします。漢字・英語、花文字等、ご要望にお応えします。

6-2.肩入れ・パッドつけ

着心地を左右する、肩入れとパッドつけです。肩線のシルエットを表すため、神経を使う箇所です。

6-3.衿つけ

洋服の生命は衿つけで決まります。ベテランの職人の腕の見せ所です。

7.穴掛り

ボタンホールを作ります。

8.ピックステッチ

身返しに高級感のある、特殊ミシンによる、ピックステッチをかけます。

9.マトメ

ボタン付け、上着の奥マツリ、星入れ等を行います。

10.プレス

最終仕上げは個々の素材に適したプレス条件で、プレス機により、最後の仕上げを行います。そして、最終手アイロンにより立体感のある美しいシルエットの紳士服が完成します。

11.検品

入念なチェックを行い、お客様にお届けします。

12.型紙保管場

お客様の型紙を大切に保管させていただいています。