某新聞のコラムより

作家の吉行淳之助さんの「地面の下に根があって茎が出て
それから花が咲くようなもので、その花を文章にたとえれば
根と茎の問題が片付かなくては花は存在できないわけである。」
(私の文章修行より)を引用され、人はともかく”花”に目が
行きがちだ。葉の裏や茎の根元を注視することは多くないと。。。

洋服作りでも出来上がったスーツには型紙の作成、縫製と
職人さんの魂が入っています。
型紙を引く一本の微妙な線。そして、生地をカッティングする
ハサミの入れ具合。縫製ではその季節の温度、湿度によって
ミシンの糸のテンションを微妙に調整します。
アイロンでは素材により、温度、かけ具合と職人さんの永年の
感と熟練の技が光ります。
この目に見えない一つ一つの作業の積み重ねが出来上がった
スーツに表れます。
何事も相通ずるものがあるのかと思ったりもします。