オーダースーツの選び方

現代の紳士服のルーツはイギリスにあります。スーツの原型も19世紀中頃、英国で誕生した「ラウンジスーツ」といわれるものです。それが次第に洗練されながら世界へと広まりました。
オーダースーツをお選びいただく際にご参考にして頂くポイントをご紹介いたします。

スーツ選びの基本

  1. 長く着られるスーツは、まず生地のチェックが大事です。目がしっかりと詰まっていて丈夫な生地を選びましょう。
  2. 顔映りの良いシックな色柄を、長く着る上で何よりも大切なのは自分にしっくりくるか、どうかです。
  3. 厚地の生地は年月と共に風合いを増し、身体の一部の様な感覚になります。デニムのように、スーツも味出しするという発想です。
  4. 生地が丈夫であれば、スーツは長く着られ、だんだんスーツに味が出てきます。しっかりした生地は味が出ると同時に服のシルエットがビシっと決まってきます。
  5. ヨーロッパではいいモノを買って長く着るという文化が根付いています。

体型別・スーツの選び方

  1. 太り気味の体型をスマートに見せるには、着丈が長めのジャケットで、お腹の肉を隠すように。
  2. 背を高く見せるのには、ゴージラインを高めに、ポケットの位置、ボタンの位置も高めにもってくる。
  3. 顔を小さく見せるには、スーツのウエスト位置はやや高めに、シャツ襟はワイドが良いです。
  4. 脚を長く見せるには、ジャケットの裾はラウンドしたもの。パンツは股下のラインがすっきりしていること。
  5. 細身の体型の方は、芯地使いで、胸元に膨らみを持たせる事で胸元に綺麗なラインが表れます。

オーダースーツの基礎用語

オーダースーツに関する用語とその意味についてのご説明です。

カラー

ジャケットでは上側の衿の事

ゴージライン

上衿(カラー)と下衿(ラペル)をつなぐ縫い目の事

フロントダーツ

ウエストを絞るためにとられた「つまみ縫い」の事

ラベルホール

下側の衿(ラペル)にあけられた小さい穴の事。昔、花を差した事から「フラワーホール」とも呼ばれていました。

フロントカット

前身頃のカッティング

ベルトループ

腰まわりのベルト通しの事

フロントタック

腰まわりに、ゆとりをつくるための縫いひだの事

背割れ

バックのウエストバンドに入れられたV字状の刻み目

クリース

脚の中心あたりを走る折り目

ターンナップカフ

裾の折り返しの事

のぼり

首まわりのカラーを立ち上がらせた部分

アームホール

身頃側の袖付け部分

ベント

後ろ身頃の裾にとられた切り込みの事

観音仕立て

裏地を肩周りだけにつける、背抜き仕様の一つ

大見返し

ジャケットの前身頃の裏側深くまで表地をおおい込ませたもの

背抜き

ジャケットの肩まわりより下の裏地を省略したもの

ショルダー

  1. ロープド・ショルダー…肩先がやや盛り上がったタイプ。
  2. スクエア・ショルダー…厚めの肩パットが生む鋭角的なショルダーライン。
  3. ナチュラル・ショルダー…薄く入れられた肩パットが生む自然な流れのショルダーライン。
  4. ドロップ・ショルダー…肩先が落ちているショルダーライン。
  5. コンケープド・ショルダー…コンケープとは「くぼんだ」という意味。いったん沈んでから一気に盛り上がるタイプ。

ラペル

  1. ノッチ・ラペル…一般的なスーツの衿型。ノッチとはV字の刻み目の意味。
  2. ピークド・ラペル…上向きにとがった先端が特徴で「剣衿」と呼ばれる。
  3. フィッシュマウス・ラペル…カラーとラペルの角が丸くカットされたもの。

ポケット

  1. チェンジ・ポケット…脇ポケット上についた小さなポケット。
  2. パッチ・ポケット…布を「貼り付け」て作るポケット。カジュアルなジャケットに多用される。
  3. パイピング・ポケット…ポケットの口を別布で縁取ったポケット。

カフ

  1. キッスボタン…ボタンを重なり合うように付けたもの。
  2. 開き見せ…袖を開閉できるように「見せかけた」仕様。
  3. 本切羽…ジャケットの袖口を見せかけただけでなく本当に開閉できるようにしたもの。

段返り

ジャケットの最上部のボタンが隠れるほど反り返っているラペルのこと

バルカポケット

バルカとは「船型」の意味。ポケットを船底のように湾曲させることからこう呼ばれている

ベント

  1. センター・ベント…後ろ身頃の真ん中に、一本だけ切り込みを入れたもの。
  2. サイド・ベンツ…両脇に切込みを入れたもの。
  3. フック・ベント…センターベントの一種でベントが鍵状に処理されたもの。
  4. ノー・ベント…ベントの無いもの。