スーツ作りの基本 パート1『スーツ生地でウール100%が多い理由』

お客様からスーツの生地って、ウール100%が
多いのですね。とよく、お尋ねされます。

基本的にはスーツに使用する生地はウール100%が多く、
高級な生地となれば、タスマニア・ウール、メリノ・ウール等、これはスーツのカタチ、シルエットに大いに関連があります。

スーツの縫製において重要な作業に、クセ取りという処理作業があります。

織物縫製におけるクセ処理とは、一口で言えば、
生地をネジるということです。

ネジられた生地が元に戻らない場合と、元に戻ってしまう場合が
ありまして、これは素材によります。

元に戻りにくい素材を「可塑性が高い」といいますが、
これはウールしかありません。

ウールの生地で作った洋服が丸みを帯びて美しいのはその為です。

クセ取りが影響する箇所は上着のウエストライン、袖の前縫いの部分、
スラックスの後ろの折り目です。

次回はクセ処理について、もう少し詳しく書こうかと思っています。